関口新心流 流儀の特徴
第一は、江戸時代以来一子相伝で伝承されている流儀であることです。
現在伝承されている一子相伝の流儀は、柳生新陰流、馬庭念流、甲源一刀流、示現流、竹内流等数流しかありませんので、大変貴重な流儀といえるでしょう。
第二に、当流は柔術を表芸とはしますが、居合術・剣術を含む総合武術であり、柔術を表芸とする総合武術流派で、藩主自らが学んだ数少ない流派であることです。
また、後に紀州藩主より八代将軍になった徳川吉宗公や十四代将軍徳川家茂公が当流を学んだことは、特筆すべきことです。
第三に、現在、関口家には柔術・居合術・剣術の武術形とともに開祖柔心の肖像画をはじめとして系図や技法および心法(精神論)に関する秘伝書等の文化財が残されていることです。
武術流儀として、形という技術、伝書という文献、さらに、袋竹刀等の稽古用具がともに残され、開祖以来400年和歌山の地で関口家によって一子相伝されてきたことは誠に貴重だといえ、平成18年3月16日、当流は和歌山市の無形文化財に指定されました。
開祖関口柔心以来の関口家菩提寺、和歌山市毛見の日蓮宗万部山本久寺には開祖氏心、二代氏業、三代氏英以来の墓石が残っています。
関口新心流の記念碑も建立され、当流の歴史を知る上でも格好の場所と思われます。武術や歴史に興味ある方は是非一度お訪ね頂ければと思います。